イギリスのR大学に留学していた近視読者ことミコーバーの日々の生活を描いたブログ。
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狡賢い青いハンカチ
2012年04月24日 (火) | 編集 |
現時点で3勝1敗。

「持ってる」男改め「背負ってる男」こと、斎藤佑樹のここまでの成績である。

去年の今頃、2勝こそしていたものの、評論家諸氏から球威のないストレートをさんざんに酷評されてきた彼とは、全く異なる印象を受ける。
いったい、何が変わったのか?あるいは、何が変わらなかったのか?

そのヒントを求めて(いや、本当はただ試合を見たいだけで)、先週の金曜日に行われたオリックス対日ハム戦を、(家で)観戦した。

先発はマクレーンと斎藤。
国籍と利き腕の違いをのぞくと、スピードのなさ、投球術のうまさなど、タイプのかぶる二人の対決である。

結果から書く。斎藤は9回を投げてオリックス打線を0封、プロ入り初完封を飾った。

オリックス打線が丁重すぎる、いや、低調すぎる、というのも確かにある。続く2試合も含め、日ハム三連戦で、オリックスはわずか1得点しか上げることが出来なかった。その1点が、イデホのソロホームランだと言うことを考えれば、いかに打線が打てないか、よく分かると言うものだ。そのような弱小打線なので、完封も多少は割り引いて考える必要がある。

しかし同時に、ファールで粘られ、抑えていても5、6回あたりでスタミナが尽き、継投に入ってもらってようやく勝ちを得る、そんな去年の斎藤とは全く違う姿を見せたこともまた事実である。

何が、どう変わったのだろうか?

まず一番取り上げられそうな、ストレートの質について考えてみよう。
去年から、「球威がない」と決まり文句のように言われてきた斎藤。この日もストレートのスピードは、お世辞にも速いと呼べるレベルではなかった。ピンチでリードオフマンの坂口を外郭139キロのストレートで見逃し三振に切った場面があったが、あれも裏をかいたためだ(ついでに言えば、微妙にはずれている。どうも判定がオリックスには辛い)。決して、切れが良すぎて手が出なかったのではない。

しかし、このびっくりするような見逃し三振が端的に示しているように、この日の斎藤は、内外の使い分け、低めへの意識、そして、打者心理を読んだ配球が昨年以上に徹底していた。

ともかく、丹念に、という言葉がぴったりとはまるくらい、しつこくスライダーを中心に、低めをついてくるのだ。ともかく高めには行かない。高く浮くくらいならワンバウンドするボールで、そういう意識すら感じさせるピッチングだった。

当たり前だが、そういう投球をすると、超人でもない限り、必ずカウント2ボールノーストライク、あるいは3ボール1ストライクのような、打者有利のカウントになってしまう。ここでどうするのか。定石通り、外角低めのストレートなのか、ボール覚悟でスライダーなのか、、、

正解を言えば、そのどちらでもない。彼が投げるのは、チェンジアップだった。それも、比較的甘いコース、打者が打ちたくなるようなコースのチェンジアップである。

だいたいの場合、打者はバッティングカウントではストレート、あるいは、相手投手がもっとも投げてきそうな球(斎藤の場合はスライダー)を待っている。斎藤はそのことを把握した上で、そのどちらでもないチェンジアップを投げる。それも甘めのコースだ。打ち気の打者は、当然打ちにくる。甘いコースゆえ、当然ながら打球はファールにならず前に飛ぶ。ところが、これがくせ者なのだが、チェンジアップゆえ、打者が何を待っていたとしても、微妙にタイミングがズラされる。それでも上手い打者はヒットコースに持っていけるが、すべての打者がそのような力量を持っているわけではない。多くの場合は、タイミングがズレた状態で打球を前にとばし、狐に摘まれたような形でアウトになってしまう。かくて、オリックス打線は斎藤の頭脳的な投球の前に、凡打の山を築くこととなった。


高校時代から斎藤に注目してきた私は、昨年、ストレートをもっと鍛えるべき、という評論を受けて、ストレートをのばすよりも、むしろ持ち味の「投球術」に磨きをかけるべきではないか、というようなブログ記事を書いた。昨年は結局、その周りの声もあったのか、ストレートをのばそうと試みて、しかしそう上手くは行かない、そんな一年で終わったように思う。

だが、この日のピッチングをみる限り、斎藤はストレートから投球術へと、自らのピッチングの舵を切ったように思われる。正しい方向に進み始めた、と思うとともに、やっかいな相手が誕生した、と思わずにはおれない。


当たり前だが、たとえばカウントが悪くなったらチェンジアップを投げる、などというピッチングは、データを取っていけばすぐに解析され、対策が立てられることとなるだろう。だが、大切なことは、そのような術、技を率先して彼が用いるようになったということである。自らの強みと弱みを理解した人間ほど、強いものはいないのだ。
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2012/04/25(水) 00:22:28 | まとめwoネタ速suru
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