イギリスのR大学に留学していた近視読者ことミコーバーの日々の生活を描いたブログ。
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トゥメをトゥメで終わらせないとぅめに
2012年01月09日 (月) | 編集 |
今年も新しい日本人メジャーリーガーが増えそうだ。

だが、当初予想されていたよりも、その数ははるかに少なくなるかもしれない。

数日前、楽天からフリーエージェント宣言した岩隈が、マリナーズと1年契約、年俸今年の3分の1程度の1億ちょっとで契約を結んだ(出来高を入れれば今年の年俸を上回る、という話になっているが、これはメジャーで全く実績のない選手に対する「出来高」であることを忘れてはならない。聞くところでは、一年間ローテーションを守れば達成できる内容らしいが、岩隈がまともに休みなくローテーションを守りきったことがほとんどない、という事実を思い返せば、これが意外と難しい条件だと言うことは明白だろう)、という話がでた裏側で、西武からポスティングシステム(別名人身売買システム)でメジャーリーグ移籍を目指した中島の、ヤンキースとの交渉決裂、並びに西武残留が決定した。

他にも、同じくポスティングでメジャー移籍を目指す青木は現地でわざわざ「入団テスト」を受けて「控え」の地位を獲得せねばならないし、自称イチローマニアの川崎は、「招待選手」(言い換えればお試し選手)としてマリナーズのキャンプに参加するという(マイナー契約なのか、キャンプ、オープン戦が終わった段階でだめなら切られる契約なのか、よくわからない)。無謀にも日本債弱球団の横浜からポスティングでメジャーを目指した真田は、案の定どこからも入札がなく、自由契約で行き先を探している状態だ。


私が気になるのは、彼らの多くがメジャー移籍について


「夢」


という言葉を用いているということだ。

これには大いなる違和感を覚える。

メジャーへ行くことが夢だというならば(青木はメジャーで活躍することだ、と断言していたが)、去年の岩隈にせよ、今年の中島にせよ、なぜそこに判断材料として条件(別名お金)が前景化してくるのか。そしてそれが原因でその年のメジャー移籍を断念するのか、不思議な話である。

イチローはメジャー移籍の際、契約条件に関わらずメジャーに移籍する、ということを代理人に念押ししていたという。メジャーを「夢」というなら、これが普通の姿勢ではないのだろうか(もっとも、この発言も今のところソースはゲンダイだけなので、本当のところはわからないが)。押すところが他にあるとしても、せいぜい「メジャー」契約、というところである(マイナー契約は契約社会のアメリカにおいてはいろんな意味で不利)。

青木、川崎はともかくとして(真田のことはとりあえず忘れよう)、近年メジャーを目指す他の多くの選手にとって、メジャーとは「夢」や「あこがれ」ではないのだろう。あくまで「さらに自分をステップアップさせてくれる(主に金銭的な意味で)ビジネスの場」としてとらえているにすぎないのだろう。それならそれでよい。だが、それならばなぜ、「夢」などというきれいな言葉を前面に出すのか。もちろん、世の中は本音と建て前に満ち満ちており、そういうものが必要になるのはよーくわかるが、それが見え見えになると、かえって滑稽かつ不快である。

眠りと夢を専門にしている人間からすれば、軽々しくこういう言葉は使っていただきたくない。ギャグマンガ日和的に言えば、これは「ゆめ」ではなく、「トゥメ」で十分である(詳細はCD版「ギャグマンガ日和」の「ロック伝説」参照のこと)。。


ちなみに明鏡国語辞典によれば、「夢」という言葉は次のように定義されている。


ゆめ【夢】
[名]
(1)睡眠中にさまざまな物事をあたかも現実の経験であるかのように感じる心的現象。多くは視覚像として現れる。
「夢から覚める」
(2)将来実現させたいと思っている願い。
「夢がかなう」
(3)現実からはなれた空想。
「夢を追い求める」
(4)はかないもの。また、たよりにならないもの。
「人生は夢だ」
「夢の世」



今回の事例で言うところの「夢」は、もちろん(2)あるいは(3)の定義になるのだろうが、私には、(4)のように思える


っと、ここまで書いて多くの方が思ったであろう疑問。


「あれ、ダルビッシュは?」

ダルは、私は別格だと思っている。
つまり、これまでにいなかったタイプということだ。

報道によれば、ポスティングでメジャー移籍を目指したダルビッシュは、契約条件で落札球団のレンジャースともめており、交渉は難航している、ということである。この額面だけを取ると、私が上記で批判した選手たちとあまり変わらないのだが、ダルビッシュの場合、一つ大きな違いがある。それはあらゆる場を通じてファンやマスコミに対して直接、

「メジャーが夢だった」

とか、

「どうしてもメジャーにいきたい!」

と浮ついた発言したのを聞いた(見た)記憶が全くない
のである。

ダルビッシュは数年前に、生涯日本を宣言している。もちろん、それから心境が変化することは十分考えられるし、別に変化することは悪くない。だが、心境の変化を示す台詞を聞いた記憶はない。

ではなぜそんな選手がメジャー移籍を目指してポスティングを申請したのか?

結局のところ、周りに動かされたとしか言いようがない(実は他にも色々な要因が考えられるが、大きいのはこれだろう)。ダルビッシュは毎年素晴らしい成績をあげる大投手である。当然ながら、年俸は青天井。一方日本ハムは健全経営を掲げる球団であり、FAなどの際には高給取りを引き留めることなく、そのまま放出してきた過去がある。今回、ダルビッシュをポスティングで放出すれば、高額な移籍金を得られるのとともに、次年度以降高い年俸を払わなくてすむ。ビジネスだけを考えれば、ポスティングで移籍してもらった方が助かるのは間違いないだろう。

私は数年前から、日本ハムの球団首脳がしきりにマスコミの前でダルのポスティングを許可するという旨の発言を繰り返すのを聞き、違和感と怒りを覚えていた。上述のように、経営を考えればダルビッシュを高値で売りたいのはわかるが、あまりにあからさまである。そしてマスメディアも毎年のようにオフになると、今年のオフこそダルビッシュのメジャー熱が上がっていよいよ移籍云々、などという、はずれても誰一人責任をとらないような恥ずべき記事をあげてきていた。そういう記事をあげる一方で、「メジャーへの人材流出!」「プロ野球の地盤沈下」などという危機感をあおる記事を書いているのだから、二枚舌も甚だしい。自分たちの責任を棚に上げすぎである。

何はともあれ、今回、ダルビッシュはようやく周りの作り上げた筋書きに乗った。いや、「乗って差し上げた」と言うべきか。なぜならこの筋書きは今や作り手の手を離れ、ダルビッシュの豪腕によって書き換えられる可能性があるからだ。

表だった形でも、本心からでもメジャーを夢と見なしていない(と思われる)ダルビッシュからすれば、そこはあくまでビジネスの舞台であって、それ以外の何者でもない。当然、ものを言うのは契約内容であり、そこに満足が行かなければ、日本ハム残留、ということになるのは必然だろう。


ダルビッシュは高校3年生の夏、何度目かになる甲子園に出場した。
しかし、早い段階であっさり破れている。最後の打者は、そのダルビッシュ、結果は三振だった。その後インタビューで試合を振り返り、この場面でどういうことを考えていたのか、と問われて、彼は言った。


「あー、これで高校3年間も終わりなんやなーって。ともかく出塁してつないで逆転しよう、なんてぜんぜん思てなかったですよ。」


これがダルビッシュである。簡単に周りの作ったストーリーで役を演じてくれる人物ではないことを、周りは肝に銘じておくべきだろう。
今、一番ヒヤヒヤした思いで交渉経過を見つめているのが、ダルビッシュ本人ではなく、日本ハム球団首脳であるのは間違いない。
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