イギリスのR大学に留学していた近視読者ことミコーバーの日々の生活を描いたブログ。
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あんたアホぉ!?
2011年03月17日 (木) | 編集 |
私が研究しているのは、実学ではない。


別の言い方をするならば、私がこの分野で素晴らしい業績を上げたからと言って、世界平和に即つながったり、人が救われたりする、そういう類のものではないのである。

この手の学問に対して、色々な意見があるだろうが、私が常々思っているのは、こういう学問が研究できること、それ自体がその国の高いステータスを表している、ということだ。

例えば、貧しい発展途上国から、いわゆる人文分野でノーベル賞を取るような優れた学者が誕生することはない。なぜかといえば、そんな余裕がないからである。そういった国のほとんどの人たちは、日々自分たちの生活をより良くするために働かねばならず、当然のことながら、直接的に自身の生活と関わらないような、そんな分野の研究に人手を回す余裕などないのである。


だから私は、こういう研究が出来ること自体、とても幸せなことだと思う


しかし、である。
こういう研究が行えるには、社会がある一定以上安定している、という前提が絶対的に必要である。
発展途上国とされる国ではそういう土台がなく、だからこそ、実学中心にならざるをえない。

この点を考えると、現在、超大型地震と原発の問題で、日本は、特に東北を中心とした東日本が大いに揺れている。この状況下では、大手を振って研究に打ち込むことは難しいのである。

断っておくが、もちろん研究はきっちりしている。むしろ昨日など、長い間苦心していたネタがようやく「ぽっ」と形になったくらいである。自分の住んでいる地域でない地震を言い訳に研究をおろそかにでもしたら、それこそ研究者失格であろう。
だが、おおっぴらに研究活動を行う気にはなれない。おおっぴらに、とは、例えば関東地方の学会に積極参加したり、ということである。

実は私が所属する学会(正確には研究会)が今月後半に東京で行われる予定だった。地震後も当初はそのまま行われる予定だったが、その後の経過が芳しくない、ということで、先日中止が正式に決定した

私はこの判断は非常に正しいと思う。
我々が今、関東に出張に行かなくては日本経済が回らない、というのであれば、それは勿論行かなくてはならないと思う。しかし、上に述べたように、我々は直接的に社会のウェルフェアーにかかわらない分野の研究者なのだ。そんな人間が、今派手に活動するのは不適当というものだろう。今は地味に研究活動を行いつつ、被災地を支援するのが妥当である(この学会のためにずっと準備しておられた方々には申し訳ないが、少なくとも、そういった方々には次のチャンスがある)。


さて、なぜこんなことを長々と書いたのか。

それは、我々と同じというつもりは全くないにしても、プロ野球という業界も少なからず我々と似たような側面を持っている、と思ったからである。


今日、プロ野球は正式に、パ・リーグの開幕を4月12日に延期すること、及び、セ・リーグを当初の予定通り3月25日に開幕させることを発表した。




どこか頭のネジが緩んでいるとしか思えない。




幸い、(なぜか)デーブ大久保が私の気持ちをほとんど代弁してくれたので、以下に引用してみる。


http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20110317/bbl1103171239005-n1.htm


プロ野球選手に言わせてもらいます。野球をやっている場合じゃない!

 そもそもプロ野球をはじめプロスポーツ、芸能などの娯楽は世の中に必要ないもので、なくても誰も困らないものなのです。人々を感動させたり、喜ばせたりしてお金をもらっている。いわばプロ野球選手は、なくてもいいもの、自分が好きなことをやって、ファンに食わせてもらっているんです。

 世の中が幸せなときは、野球に没頭すればいいでしょう。被災した人々が悲しみ、困り果てているときに、恵まれた環境で暮らし、体力もあるプロ野球選手が恩返しないで、いつするんだといいたいのです。


【球界風雲児デーブ】2011年3月17日配信より



阪神金本の言葉も重いと思う。


http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20110317-749357.html


 勇気を与えるとか、勇気をもらうとか、そういう状況じゃないと思う。水もなくて、お風呂にも入れなくて、食料も明日何が手に入るかも分からない。僕らが野球をやっても、被災者の精神状態も、そういうレベルじゃない。

 まだ、捜索段階で遺体もどんどん見つかっている。勇気を与えるとかは、もう少し落ち着いてから。食べ物がのどを通って、電気も通って、ある程度の生活が確保されれば、さあ、がんばろうという気持ちになると思う。僕たちもそういう姿を見せないといけないと思う。でも、今は野球を見て楽しもうとか、そういうレベルじゃない。


(日刊スポーツ2011年3月17日)

金本の言うことは正しいだろう。
何をするにも、段階を踏むことは不可欠だ。
病気の時はおかゆなど、胃にやさしく消化に良いものを食べて、元気になってからカレーのような刺激物や肉類などを食べるのと同じである。
阪神大震災時の私自身の経験から考えても、東北地方がまだまだそのレベルまでは達していないのは明らかだ。また、それに付随する(無)計画停電など、関東地方は問題山積みである。


しかし、セ・リーグは割とあっさり決断してしまった。


なるほど、世間と感覚がズレていると感じるのは、相撲界だけではなかったわけである。
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