イギリスのR大学に留学していた近視読者ことミコーバーの日々の生活を描いたブログ。
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近視読者的留学豆知識準備編「出発前に準備したいもの」Book編Part1
2010年04月08日 (木) | 編集 |
今日は4月7日。

イースターホリデーの関係で、ここ一週間ほど図書館も事務も全てが閉まっていたのだが、今日からようやく復活。というわけで、図書館で必要な資料を確保してきた。ありがたい事に、前に借りようと思ったものの借り出されていた本が返却されており、必要なものはほぼ全てそろった。後はこの材料を上手くトッピングして論を綺麗にまとめるだけである(って、その前にその資料をよく読まねば)。


さて、昨日は少し季節感あふれるお話をしたが、今日は再び留学豆知識の話をしようと思う。

これまで、留学する上で大切なものを3つ+α挙げてきた。今日から暫くは、その他、より具体的に、準備をする上で考えておいた方が良いことについて、独断と偏見と経験に基づいてお話したいと思う。

折角図書館が開いた、という話題を取り上げたので、今日は本の話から。


おそらく多くの方が、日本から何らかの本を持っていくことになると思う。もちろん、必要な教科書となるテクストなどはこちらで購入すれば良いわけだが、自分の研究全体に関わる基本的な本など、持っておきたい本もあるわけで、そういうものがあれば、後述する理由のため、持ってきた方が良いだろう。


さて、本を持ってくる場合、どれくらいの数を、そしてどういう本を持ってくればよいのだろうか?以下、その点について説明したいと思う。なお、これはあくまで私の経験に基づくものであることをご留意願いたい。要するに、全員に当てはまるかどうかは分からない、ということだ。


持ち込む本は、大きく分けて、「研究関係の本」と、「研究以外の本」とに分けられる。


今日は前者、研究関係の本について。

私の場合、研究関係の本はほぼ持ち込まなかった。というのも、必要なものはこちらの図書館で借りるなり買うなりすれば良いわけだし、何が必要になるか、来る前の段階では分かっていなかったからだ。ただ、私の専門は19世紀イギリス小説であり、19世紀イギリスの文化全般について、ちょっと簡単に調べ物をしたいと思ったときに何かあった方が良いだろう、と思い、



『エマ-ヴィクトリアンガイド』



だけ持ってきた。
この本は、タイトルから想像できる人がごく僅かにいるかも知れないが、数年前に評判になった、漫画『エマ』の時代背景を説明した、いわゆるマニア本である。『エマ』とは、ヴィクトリア朝時代のメイドを主人公にした恋愛物語で、詳細な時代考証と魅力的な登場人物で読ませるコミックである(たぶん)。この本は、そんな『エマ』の読者に、時代背景となったヴィクトリア朝についてもっと知ってもらおうという観点の元に書かれた本であり、決して学術書ではない。だがしかし、マニアの情熱というものをナメてはいけない。時に熱心なマニアの知識は専門家のそれを軽く上回るのと同じく、この本もかなりレベルの高いマニア本に仕上がっているのだ。原作者によるイラストと広範な専門書に基づく背景説明は一読の価値がある。なにより、本格的な研究書とは違う、肩肘はらずに読めるところに、この本の魅力がある。飛行機の中で読むのにうってつけの本、と言えるだろうか。軽く読めて、かつためになる、私がこれを持ってきた理由はここにある。


こちらにいると、当たり前だがほぼ全ての研究書が英語である。もちろん留学しているのだし、そもそも海外の文学を学ぶものであれば、原書と英語論文を大量に読みこなす必要があるのだが、時に、先人が日本語でまとめてくれた本を使いたいときもかならずある(なんといっても、英語論文を大量に読むのはしんどい)。そういう時に、こういった、簡単にまとめてくれている本が手元にあると、意外と便利である。このように、何か一冊は自分の専門に関係した日本語の書物を持っておくと、良いかも知れない。


何にせよ、大量には持ち込めない。何しろ、本は意外と重いものである。そして、トランクの重量はご承知のように、旅行会社によって大体20キロまでと相場が決まっている。少しくらいのオーバーは多めに見てもらえるようだが、実際どうなるかは、空港でどんな担当者に会うかにもよって大きく異なる。そんな見ず知らずの人間に運命を委ねるのは賢明とは言えまい。従って、持っていく本はあくまで最小限にとどめ、トランクには他のものをつめたいところだ。なにせ、持って行きたいものはいくらでもあるのだから。

それでも、あれもこれも研究には必須だから持って行きたい、と思うこともあるだろう。そういう場合は、予め段ボールでそれらの本を荷造りしておき、事前に郵送しておくか、あるいは出発後、家族に郵送してもらうのも手である。その際、急ぐのであれば航空便を使えばよいが、急がないのならば、サーフィスメール、つまり、航空便と船便を両方使った、比較的安い郵送手段を用いればよいだろう。このあたりは、届くまでにかかる時間と料金を計算し、各人にとって何が大切か、考えるのが良いだろう。
ちなみに私の個人的な経験を元に言わせてもらえれば、私が最初にある程度長いエッセイを書くよう求められたのは、秋学期の終わり、つまり、冬休みの期間である。それまでは、別に長いものを書く必要はなく、必然的に日本から持ってきた資料なども使う必要がなかった。9月末から授業が始まるとして、最初のエッセイを書き出すまで、約2ヶ月半の時間があるわけだ。これだけあるならば、サーフィス、あるいは船便でも大丈夫だろう。


但し一点だけ、こちらの大学の図書館が意外と頼りにならない、ということについては述べておかねばならない。私の専門は19世紀イギリス小説、もっと言えば、ディケンズの作品になるわけだが、当然、図書館にはディケンズ関連の資料が多数存在する。例えばフォースターの伝記や手紙全集など、基本的なものは揃っている。しかし、これが意外の他穴がある。早い話が、「この本欲しいな」と思った本が、5回に3回くらいの割合で図書館にないのである。はっきり言ってこれは痛い。その本がそこそこ有名な本であった場合、なおさらである。実際、わがR大学の図書館の品揃えは、K大学文学部のそれを下回ると言っても過言ではない。

特に、「ディケンズの~のノートン版が読みたい」というように、特定の本の特定のエディションを求めた場合、悲劇的である。たいていワールズクラシックスは置いてある。が、他の版はあったりなかったりで、ディケンズについて言えば、ノートン版はGreat Expectationsしかない。The Mystery of Edwin Droodにいたっては、ワールズクラシックスが一冊あるだけ、という体たらくである。こちらの人は意外なほどエディションにこだわらないのだ。


もちろん、この図書館の所蔵事情は大学によって異なるのだが、どうも聞くところによると、オックスフォード以外はどこもかしこも似たりよったりらしい。というのも、それ以外の大学で、「うちの図書館は良い」だとか、「資料は十分にある」などという話は聞いたことがないからだ。もちろん、他大学から取り寄せたり、コピーしてもらうことは可能なのだが、結構(かなり)面倒な書類を書かねばならない上、それなりのお金がかかる。

このように、日本では割と簡単に手に入る本が、本場イギリスでは逆に手に入らない、などという悲劇的なことが多々ある、ということは留意しておく必要がある。

では、それに対してどう対抗すればよいか?もし、日本で既にたくさんの専門書を購入しており、大体必要なものは家にある、という人は、家族に頼んで送ってもらうのが良いだろう。その場合、当たり前だが、家族にどの本なのか、すぐに分かるようにしておかなくてはならない。私のように、「机の下にある黄色のかごの中のどこかにあると思うんだけど、~という本が欲しい」などと言ってもまあ伝わらないので、気を付けるように(実際、本自体がまだ見つからない)。結局、出発前には自分の本棚はよく整理しておくことが肝要なようだ。


あとは、出発前に、自分が留学する予定の大学の図書館の資料をネット検索してみる、という作戦が挙げられる。自分が研究する上で、これまでよく使ってきた本、必読と言える本、自分の研究テーマには関わる本、などのくくりで、自分がこれから海外で使う可能性の高そうな本をピックアップし、それがその大学の図書館に置いてあるかどうか、調べるのである。おいてあればそれを持っていく必要はないが、もし置いてなかった場合は、色々と考える必要がある。その本を自分が持っているか、持っていないならば、日本で今から買えるか、それとも海外に行ってから買った方が安いか、そもそも海外で購入可能か、購入するとして、値段が高くないか、などなど。考えすぎるとキリがない。当然ピックアップした本が多ければ多いほど、時間がかかることになる。もちろんこの作業をやっておくと、後で自分が論文を書くときに楽になるのは言うまでもないが、程々にしておこう。他にもやっておくべきこと、やりたいことはたくさんあるのだから。従って、本の冊数を絞り込んだ上で検索をかけるのをオススメする。



本日のまとめ。
日本から研究関連の本を持っていく場合、トランクに詰めるなら、なるべく自分の専門をざっとまとめた、読みやすい日本語でかかれた本を持っていくことをオススメする。それ以外に持って行きたい本がたくさんあるなら、家族に送ってもらうのがベター。適宜家族に必要な本を送ってもらうためにも、どこにどの本があるか、家族にちゃんと伝わるように、整理整頓をしておくこと。出発前に、留学先の大学の図書館の所蔵具合をチェックしておくと、こちらから持っていくべき、あるいは送るべき本の絞り込みができる。イギリスの大学の図書館には、期待はしても計算はするな!


そんなところ。


次回は、研究以外の本について書く予定。
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